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人生を全て捨て効果発動☆
19話あげました。これで次回からようやくこいし戦です。
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フランドール・スカーレットVS古明地こいし 19 U.N.オーエンは私なのか?
U.N.オーエンは私なのか?



 依然として空中で散った核の衝撃波の影響で砂と埃が舞い、視界が悪かった。天狗の団扇で台風でも吹かせてやれば飛んでいくと思われた。
 慧音の使った歴史食いの効果はまだ消えていないのだろう。近くの民家からは人の気配一つ無かった。元々現在の場所には避難警報がでていたのであまり関係なかったが。そんな中をフランドールはあてもなく一人走っていた。まだ塞がっていない傷口や目や鼻に入る砂埃が痛みを増幅させる。その痛みも今は自らの悪意を戒めてくれているようで心地よかった。
 私は空に恐ろしいことをしようと思っていた。自分がどうしようもなく怖くて、このままでは取り返しのつかないことをしてしまうではないかと。だから、その場からすぐに立ち去った。あのままさとりに割り込まれなかったら確実に空を壊していた。あの声で一瞬自分の理性をとり戻していなければ今頃全てを失っていたと思う。空の最後のあの目を・・・・・・私は今までに何度も見てきた。命乞いをする目、まだ死にたくないという目。そんな目をこれまでにどれだけ潰してきただろうか。
 思い返せば、やはり鏖(みなごろし)だった。泣き喚こうが、命乞いしようが関係ない。
 いつもそんな奴等の心臓をワイングラスの上で握りつぶして、滴り落ちた血を味わうのが楽しみだった。血のドレスを着飾って血の口紅を口に塗り、独り死体の山の上でダンスを踊る――――。
 もう一度、繰り返すのだろうか?

 「うっ・・・・・・」
 
 痛烈な声を漏らす。薄く血の膜を張っていた傷口が開いたようだった。
 その場でうずくまる。お空の最後の死力を振り絞った一撃が自分に届いていなかったことがなによりの救いだった。495年の波紋を放っただけの甲斐があるというものだ。だが、反動はすさまじかった。七色の翼も全て枯れ落ちて、いまや葉の無い枝が私の背中に2本生えているだけだ。失った血液の量も半端ない。本来ならあの場に残ってさとりに治療を依頼すべきはずだったのだ。そうする権利が当然、私にはあった・・・・・・と思う。あえてそうしなかったのには理由がある。495年の波紋の代償・・・・・・薄々と感じていたが、この技は使えば使うほど人格障害を引き起こし、吸血鬼としての生命を縮めていく。失うものは、気品、誇り、文化。
 昔馬鹿にしていたお姉さまの言うようなそれらのものは、いまやきっと私にも受け継がれていたのだろう。もう化け物に戻るのは嫌だった。あの場に留まっていたら化け物となって空だけでなく、全員壊してしまっていた。
 「495年の波紋というスペル、あれはもう絶対に使っちゃ駄目」、という言葉、今なら分かる。全ては私が壊れてしまうのを止めるためのものだった。そうか、そんなにもお姉さまは私の事を思っていてくれたのだ。そう感じると、幾分か気分がマシになった。 それにしても、今さっき悦んでいた自分は、自分ではない自分だった。かといってフォーオブアカインドの暴走で抜け出したもう一人の自分の人格でもない。あの人格は、元々私の何処かにある狂気の人格だ。
 それが今の自分にもあるのだ。・・・・・・今回、意識を失わなかったのは今、自分の中に本来存在する人格が私から抜け出している為だろう。

 「(私は一体・・・・・・)」

 姉のその思いでマシになった気分とは裏腹に体調はますます不安定になりつつあった。混沌と不安と暴力的なものが混ざり合う意識の中で、自分の人格が擦り切れるのも時間の問題だ。

 「お姉さま、このままだと、私・・・私・・・・・・!! また私じゃなくなる!!」

 髪を掻き毟る。すでにお気に入りの帽子も血の汚れなどでくしゃくしゃだった。私は突然わけも分からずに叫びたい衝動にかられたが、刺されたような痛みを感じ先にお腹を押さえた。胃から逆流してくるもとと共にうげっ、と口から血が飛び出た。未だ舞い散る砂塵を巻き込みながらぼとぼとと血が地面にこぼれ落ちる。いや、違った。こぼれ落ちたのは・・・・・・黒い泥。見間違いかと思ったが、はっきりとわかった。間違いなく黒い泥だ。何故血ではなく体から泥がでてきたのか、困惑した。
 だが、その答えはすぐに“フランドール”が教えてくれた。月灯かりの大地に影ができる。

 「血が、ついに底を尽いたのね」

 声が聞こえた。見上げるとそこには同じ格好、同じ顔した自分でない自分が居た。フォーオブアカインドの暴走によって意思を持ってしまった個体。こいしにそそのかされて自分自身に刃向かった分身だ。今まで何処に隠れていたのか分からなかったが、彼女が姿を表すのは頃合だった。二人は顔を見合わせる。本体である私の力が底を尽きたこの瞬間こそまさしく体を乗っ取る最高の機会だったのだろう。
 くしゃくしゃでない帽子と綺麗な翼が憎らしいな、とそんなどうでもいいことを思った。
 
 
 ※※※


 「笑うといいわ、私」
 「つれないこというわね、私」

 お互いに笑う。だが苦し紛れの笑みと慢心の笑みでは天地の差があった。故に、フランドールは諦めなかった。笑いが終わる。さして体は動かないが、「いくぞ」と心の中で啖呵を切った。

 BGM♪ Demystify Feast

 フランドールが人差し指をくい、と合図するように動かすとコピーフランドールの足元から蟹が噴くようなのような小さな泡が溢れた。足元が傾き、ふと見ると地面がチョコレートのように溶けている。地面を溶かして波紋を重ね、泡は足を狙っていた。

 「これがフランドール、私自身のラストスペルか・・・・・・・・・実際に見たことはなかったけど、私抜きで発動するなんてね」

 軽く浮遊してそれをかわすと少し浮いた地点でフランドールを見下ろした。その目は傲慢に溢れるわけでもなく、蔑むわけでもなく、ただただ悲しい目をしていた。
 495年の波紋はフランドールの「破壊」するという現れである。だが、フランドールはその「破壊」するという意思の9割を持つコピーフランドール抜きで行った。その結果がこれだ。「破壊」を持たないフランドールは体に負担を抱え込み、限界を超えて満身創痍であった。この地面から湧き出す少量の泡が事実を指し示している。
 コピーフランドールが手元に意識を集中させると小さな闇が集まり1枚のスペルカードを具現化させた。
 
 「・・・・・・スターボウブレイク」

 Spell Card!!! 禁弾「スターボウブレイク」

 コピーフランドールの翼に光が収束する。地底でのこいしとの戦いで見せたような大きなスターボウではない。ほんの小さな雑魚をあしらう程度の光線、それで事足りた。
 光が空気を裂いた。
 
 「ぎっ・・・!!」

 一閃すると光の矢はフランドールの胸をいとも容易く貫いた。お空との戦いで疲労を重ねたフランドールにこれを避けるスピードも弾幕も持ち合わせていなかった。495年の波紋も体に纏わせていない。スターボウブレイクを遮るようなものは何も無く、直撃した。フランドールとコピーフランドールを紡ぐような残光だけがうっすらと残る。

 「あ、あぎっ・・・・・・!!」
 
 少女の叫び声とは思えないような声をあげると、再び泥を口から吐き出した。痙攣してしまったのか、足や顔がガタガタと大きく震えていた。否、変形というべきか。
 ゴキゴキと内部で骨格が新しく形成されていく。そういう再生の仕方は珍しいものではないが・・・・・・さすがに今のフランドールの状態でこの再生の仕方は異常だった。

 「(本体のアレは、一体・・・・・・私の中で一体何が起こっている・・・?)」

 冷静なのはコピーフランドールだった。悪意の一部として分離したコピーである存在だが、彼女もまたフランドールなのだ。自分自身に起きている現象に興味を抱かないわけではなかった。というよりもこれから頂こうという肉体の方が心配だった。
 こいしは言った。本体であるフランドールの死が近づいている。死ぬ直前、全てが0になる寸前で分身である私が元の体に戻れば、意識は全て私が自在に操ることが出来る。
 それが真実か否か
 だが・・・・・・アレは。

 「(死ぬどころか・・・・・・なにか別のモノになっているふうにも見えるけど)」

 グラスに注いだビールが溢れて零れ落ちる。泥の泡はそういう風にフランドールの口から溢れていた。泡1つ1つの小ささは先ほどのものとそうはかわらないが・・・・・・。

 「あぎぎ・・・ぎぎ」

 そう思っているとすぐにはっきりと違いができていた。泡は零れ落ちることなく上空へと昇っていた事、これは先ほどのものと変わらない。大きく違うのは泡の一部が1つのピンポン玉くらいの大きさになりコピーフランドールを狙ってきたという事だった。
 速度は緩慢なものもあれば敏速なものもある。ただ、吸血鬼の目で追えないレベルではない。だが、コピーフランドールも先のお空との戦闘を見ていなければこんな幼稚なものがラストスペルと思わずきっと油断して被弾いただろう。
 風の流れに揺られて動くもの、風の流れとは別にゆらゆらと適当に滞留しているもの、一直線にこちらを狙ってくるもの、拡散していくもの。それらのうち、フランドールの方向から一直線に迫ってくるものだけに狙いをつけ翼の宝石が煌く。
 
 「どうも、簡単にっていうのは無理みたいね。・・・・・・スターボウブレイク!!」

 翼から光の矢が連射される。一直線に狙ってくるものとフランドール本体の周りに存在する泡をパンパンパンと勢いよく泡は弾くと波紋を作った。これで波紋によってスターボウブレイクが遮られる―――――否、その前に数本の光がその壁を通り抜けた。波紋ができる速度より、光が通過する速度の方が速かった。更に勢いが付いたスターボウブレイクは矢というよりも投擲された槍と例えた方がより具体的であった。数本の槍はフランドールの体を射抜いて、地面に突き刺さった。勢いで体が地面から離れ腰が反り返ると、顔を上に向けたその体勢のまま動かなくなった。
 その姿はさながら百舌鳥の早贄のようであった。
 手応えを感じたコピーフランドールの口元は尚も変わらない。同時にパンと音がし、ふわふわと漂っていた泡の1つが破裂したからだ。

 「なに?!」

 当然、フランドールが動かなくなってもこの弾幕は消えることはなかった。1つ目の泡が破裂したことで、回りに浮かんでいた2つ目、3つ目の泡が連鎖して破裂する。その泡が破裂した位置よりコピーフランドールは下に居たため、より広い上空への回避は間に合わすことができない。
 ただでさえ砂埃で遮られた空が波紋によって地面と水平に大気を大きく歪ませている。空への逃避はこれでしばらくの間、断たれることとなり諦めざるを得なくなった。
    
 「(思ったより効果範囲が広い。ピンポン玉程度の泡で最大50mは広がると見た)」

 コピーフランドールはそう推測する。というのも普段は表のフランドールの意思に埋もれている破壊の意思は表だけが知るラストスペルについては何も知らなかったからだ。ることは知っているし、力も提供している。だが実際どういうものなのかまでは把握できていなかった。例えば、部屋が4つあったとする。そのうちの1つの扉はいつも開放されていて、残り3つの扉はいつも閉じられている。まに扉を開けて外に出るときは、いつも開放されている扉が閉まっている。4つの部屋の住人は、お互いの部屋を行き来することも、そもそも顔を合わせたことも無い為、互いの部屋の模様や家具の配置などは全く知らないのだ。
 フランドールと分身の彼女達はそんな関係にあった。
 勿論元々は1つの意思、1つの部屋・・・・・・だったのだが、この495年の間でそういう風になってしまっていたのだ。

 「さて・・・・・・どうやって奪おうか」

 ひとまず泡を回避したことでコピーフランドールには余裕ができていた。スターボウブレイクで貫かれ動かないフランドールを見ながら、地面より数十センチ上で上下に揺れて浮遊しながら考える。そうやって観察していた目はピクリ、とフランドールが指先が動くのを見逃さなかった。
 
 「やっぱり、これ死んでないよね」
 「ぎぎ・・・・・・」
 「!」

 間髪入れず、コピーフランドールの羽に光が宿り再び矢となりフランドールの腹を貫いた。だが今度は止まらない。
 すでに数本の矢が通り抜けた跡が身体中にあったが、光の矢が霧散するとまるで意に介さないかのようにのそのそと行動を開始した。皮膚の毛穴一つ一つから血が噴出し、その血は泥となりフランドールのきめ細やかな肌を覆い、灰色に変色していく。
 そして死んだ魚のような目から一転、目が鮮血色に染まる。蒼白だった表情に不吉な笑みが宿った。

 「(来る)」
 
 のけぞった状態から再び両手を地面につけて体を丸め、数秒の沈黙の末、突如フランドールは四足を使って獣のように跳ね上がった。泥と泡が舞う。泡は元より飛び散った泥も注意深く撥ね退けると、コピーフランドールはさらに距離を取った。真上の空間が波紋によって歪んでいるのが解かれるのを待っている余裕は無いと判断したからだ。
 このままでは波紋を空間に重ねがけされるだけで圧殺されてしまう。今のフランドールにそこまで頭が回るかどうかは置いておいて、可能性として危険だった。

 「しゃああ!!!」

 フランドールが少女とは思えない獣のような咆哮をあげる。声だけでフランドールの周りの空気が吹き飛び、衝撃波となってコピーフランドールを襲った。

 「?!」

 咆哮にひるみながらも距離を取ったのは最善の策だったといえようか。考えていた通りフランドールは跳ね飛びながら波紋の泡を撒き散らし、先ほど居た場所は空間ごとすべてが捻じ曲がっていた。
 いくらフランドール同士の攻撃といえどこんなものを直接当てられもしたら、ひとたまりもない。回避に専念するべきだと本能が告げる。

 「(ずいぶんじゃない。これが人間になりたいとかかわいいこといっていた人格のすることかしら? まるで私よりよっぽど――――)」
 
 ぼこぼこと泥と雑じった泡がまた地面の隙間から這い出てくる。
 
 「ちっ、波紋の発生源は本体じゃないって言うの!? それとも、そこまで自在に操作できると・・・? いや、どちらも違う・・・ ・・・さっき飛び散った泥のなかに泡を少量を仕込んでいたのか」

 這い出た泡は数センチ上昇するとパン、とまた破裂した。波紋が上方に走り再び襲い掛かる。数は一つではない。大なり小なりのいくつもの波紋が重なり合い共鳴していく。



furan4.jpg



 この技の厄介なところは、波紋の攻撃力だけにとどまらない。波紋が広がった空間は歪むのでしばらく、時間にして数十秒から数分の間、使用不可になるのだ。泡が割れた場所は特に長い。先ほどの上空に波紋が広がったときも危なかったが、もしそのまま四方を波紋の壁で閉じられたらジ・エンドであっただろう。
 塵一つすら残さないあの殲滅技に拮抗するにはお空のように同じラストスペルを以って対抗させるしかないだろう。

 「(もちろん、タイムアウトまで全弾避けることができたのなら、その限りではないケド・・・・・・)」

 彼女の分身であるからこそわかった。これは最後のあがきということを。死ぬ前の灯火の蝋燭、まもなく息絶えようとしているのに燃え続けようとする執着心。泡と泥のみとなった自分自身を哀れに思うと同時に、ついに体を独り占めできるという満足感がコピーフランドールの全身を駆け巡った。
 次の瞬間、コピーフランドールの翼の宝石が激しく煌いた。

 「スターーーーーーーボウブレイク!!!」

 全弾発射。全ての矢はいまや泡を生み出す泥人形となったフランドールに向けられた。光の速さを持つ七色の矢は、それでも今度は元々出来ていた495年の波紋によって全てを遮断される。まさしく鉄壁だった。
 フランドールが再度吼える。今度は地面とフランドール、そして上空からも495年の波紋がコピーフランドールめがけて襲い掛かった。シャボン玉とは思えない速度と密度で襲い掛かったそれは、直撃することなくコピーフランドールの作り出した壁によって遮られた。

 「恋の迷路」

 その弾幕の壁は何重にも重なっていたが、いくつかわざとらしくスキマが出来ていた。そこが本来のこの弾幕の通り道(攻略法)なのだがピンポン玉級の泡が壁にぶつかり割れるとその場所を基点にして波紋が走る。こうしてもう一つの抜け道が簡単に出来上がった。
 そんな“デタラメ”を受け止められずに恋の迷路の外壁はいとも簡単に決壊した。恋の迷路も決して弱いスペルではない。だが、そんな防壁が通じるのは同じパワーか、それ以下のパワーのスペルのみだ。泡が恋の迷路の壁にぶつかったとしても迷うことなく直進してくる。迷路の壁などあの弾幕にとっては意味を持たない。
 ・・・・・・承知。もちろんそうなることはもとより理解していた。
 狙いは防ぐことではない。1秒でもいいから時間稼ぎをすることだ。495年の波紋のタイムアウトぎりぎりまで。迷路の壁がどんどんと霧散していく。あれよあれよというまに最後の壁まで消し飛ばされ、波紋の侵入を許してしまっていた。内部で通り抜けてきたいくつかの泡が破裂する。

 Spell Break!! 禁忌「恋の迷路」

 「ヒヒヒ、いいねぇ」

 甲高い笑いが漏れる。コピーフランドールは楽しんでいた。これは破壊の意思を持つフランドールの本来の行動原理に他ならない。繰り返すが、彼女もまたフランドールなのだ。 
 1秒の隙にその場から上空へと離脱すると、フランドールも手を動かしその後を追うよう泡を操作する。ぐるりと空中で旋回し鬼ごっこをする。さすがに旋回中なら495年の波紋に追いつかれることも無い。泡は後方からだけでなく、コピーフランドールを包み込むように前と下方の3方向からやってくる。上方はすでに泡が割れて波紋ができあがっていた。それでもなお限りある隙間を縫ってコピーフランドールは離脱する。移動をしながらフランドールをスターボウブレイクで威嚇する。例え当たらなくても威嚇だけで、この495年の波紋の誘導が遅れる。そうやってタイミングをずらし、少しずつ、少しずつスペルの稼働時間を削っていった。
 
 「うがああああああああああああああああああああああああ」

 さすがにイライラが溜まったのか、空中で波紋を足場にしていたフランドールが動いた。

 「んっ・・・・・・?」

 その光景に一瞬何かを感じ取ったコピーフランドールは高速で接近するフランドールの姿を許してしまっていた。フランドールの右手は波紋を纏っている。やばい、と思うより先に右パンチをまともに腹に喰らう。

 「・・・・・・」
 「・・・・・・ぎ?」

 フランドールの右肩から先が崩れ落ちた。ぼとりと泥となった腕だったものが地面でぐしゃ、と潰れた。パンチの衝撃はなく、軽く撫でられた程度の感覚しかなかった。
 残ったのは波紋だ。フランドールのパンチによってコピーフランドールの腹を基点として空間が歪んだ。お空のサブタレイニアンサンの影響で粉塵が舞ったこの空にもう一度大きな波紋が広がった。二人はその場を動かず、ただ鏡に映った自分を見つめるようにただただ佇んだ。
 
 「・・・・・・効かない」

 一声をあげたのはコピーフランドールだった。とっくにさっきの疑問は解決していた。波紋はコピーフランドールの肌には波打たず、細胞1つすら破壊していなかった。

 「・・・・・・この技、フランドール自身には効果がない」

 ごく簡単な答えだった。そうでなくては、いくらフランドール自身といえど495年の波紋を足場にすることは出来ない。よもや、纏うことなど不可能ではないか。
 
 「あああああああああああああああああ!!!!!」

 フランドールは左腕を大きく振りかぶり、コピーフランドールの顔面を殴打する。手ごたえを感じたのか、コピーフランドールは避けもしなかった。左腕は同じように拳の先からめきめきとひびが入りぐしゃりと落ちた。コピーフランドールがその暇を放っておくわけがなく、空中で身を翻すと戸惑うフランドールの脳天に思い切り踵落としが決まった。ばきっ、ともぱきっともいえない爽快な音は骨が割れる音だろうか? 首が折れた音だろうか。そのままフランドールは大地に落ちて、そのまま腐ったトマトのように潰れた。

 「あ・・・ああ・・・・・・」

 フランドールの瞳の色が元に戻る。暴走が止み、意識は正常に戻っていた。痛みはとうに通り越して、虚無感だけが残っていた。空中を歪ませていた全ての波紋が消える。

 「・・・・・・あ゛・・・う゛・・・」

 私は、とうに終わっていた。未来をつかめるような両腕はとうになく、飛び立てるような翼もなく。ただただ地に這い蹲る自分がここにいた。
 ・・・・・・自分は全てにおいて、届かなかったのか? 幾度にも渡るこいしとの戦い、お空との戦いで血を吸わない吸血鬼の限界点を見つけ諦めたというのに。この先吸血鬼として、生きようと思いなおしたところだったのに・・・・・・その手前、最後の最後で肉体が追いつかなかった・・・・・・なんて。
  
 「そんな“未完成のラストスペル”でよくあの鴉のラストスペルを弾いたものね。そこは評価するわ」

 仰向けに寝転がるフランドールの頭上にゆっくりと下降するとつま先から大地を踏みつけた。

 「・・・・・・」
 「私がどうして貴方から離脱したか、その本当の理由が分かる?」
 「私に愛想がつきたからでしょ」
 「不正解」
 「・・・・・・」
 「もしそうだったら旧都での戦いの後、とっくに貴方の意識を乗っ取っていたわ」
 「そう・・・ね」
 「・・・・・・本当の理由は2つあったの。1つは防衛本能ってやつ」
 「防衛・・・・・・本能?」
 「最近は太陽に当たってふらつくくらいに血液のめぐりが悪かった。いつ衰弱死してもおかしくない状態だった。その為にフランドールという存在は意識を4つに分けた。
  1つは善、1つは吸血、1つは破壊、1つは悪。これが、フォーオブアカインドのもう1つの効果として表れたの。まぁ破壊の固体と悪の固体はすでにあのお嬢ちゃんによって壊されたけど」
 「フォーオブアカインド3体の内、2体はやられた。じゃあ・・・・・・」
 「・・・・・・私が最後のフォーオブアカインド(分身)よ。
  もう貴方はずっと忘れていたと思うけど、今は善である貴方の人格は主人格であるけれど元々は4人で1つの体を使っていた。だから貴方が私たちの事を分身っていうのは、おかしな話よね。
  貴方も結局は4つの側面の1つにすぎないんだから」
 「・・・・・・」
 「まぁ、そのせいで周りからは情緒不安定なんていう烙印を押されたけど。
  そして、2つ目の理由。これは個人的なことだけど、私は貴方が一人でどこまでやれるか知りたかったの。
  見極めた上でそれを見届けるか、あるいは本当に主人格を私が乗っ取るかを決めようと思っていた」
 「だから、こいしに加担したのね」
 「ええ。アレを貴方に当てることでどのような結果を齎すかは興味があった。
  まぁ・・・・・・結論から言うと、貴方は適正ではなかったという裏づけになっていまったけど」
 「そう・・・」
 「・・・・・が、正しくあろうとしたとは思う」
 「願いは、叶わなかった」
 「仮に、人間になり叶えていたとしてもそれは吸血鬼という己の種族からの逃避行に過ぎない」
 「そうだったと今なら思う」
 「今一度聞くわ。吸血鬼として、人間の血を吸うことができる?」

 視線と視線が合う。
 私はずっと吸血鬼であることが嫌いだった。今でも好きなわけじゃない。
 ―――――――ただ、いい加減認めなければならない。私でないワタシも私である事を。いつしかお姉さまに「吸血鬼として生まれてきてよかった?」と聞いたことがある。なんかむずかしい言い回しをされて、よく分からなかったが簡潔に言うと良かったといっていた。もし私に吸血鬼に生まれてきてよかったと尋ねられてもそうは答えられない。
 私は吸血鬼に生まれてきて嫌だったから。でも子が親を選べないように私がこの世にどんな格好で生まれてくるかなんて選べない。それが運命というものか。

 「(それが運命というものなの? お姉さま)」


 ※※※
 
 
 ふと、見るとさっきまでとはまるで違う場所に居た。これは夢だろうか、さっきまで自分の分身と戦っていたような気がしたのだけど。そうだとすると、負けてしまったのか。ここは冥界への入り口だろうか? 真っ暗闇で、進むべき道もない。咲夜が口にしていた冥界とは、ずいぶんと違うようだ。桜花が乱れ咲く綺麗な、それでいてもっと冷たい場所だと聞いていたのに。ならば、ここは地獄だろうか。よく考えれば当然だろう。あれだけの殺戮と破壊を行っておきながら、そんな桜が咲くような綺麗な場所にいけるはずがない。閻魔大王様が裁判をすればまず間違いなく、地獄行きできっと私は舌を抜かれ、針千本の山を登らされ、永遠に三途の河で石を積み続けることになるのだろう。だが、それならそれでいいと思う。そんな苦痛には、きっと耐えられた。だから、私にとって地獄というのは・・・・・・。
 
 「我儘ね」

 その声の方向に振り向くと、小さな少女に蝙蝠の翼が生えたシルエット・・・・・・レミリアの影が囁いていた。

 「うるさい」
 
 右腕を振り回して影を破る。今度は背後から声が聞こえる
 
 「これだけの力を持ちながら」

 パチュリーのか細い声が聞こえる。

 「うるさい」

 その影も切り裂く。影は霧の様に散らばり、消える。

 「妹様は本当にめんどくさいですね」

 美鈴の影から声がする。

 「うるさい」

 両手で引き裂く。手に感触はない、そこには誰も居ない。ただ、影だけが消える。

 「どれだけお嬢様に迷惑をかければ気が済むのですか?」

 咲夜の声が聞こえる。

 「うるさい」

 表れた影を四散させると、今度は四方八方から声が聞こえてきた。
 気が付けば、無数の影が私を取り囲んでいた。表情は笑っているものもいれば、泣いている者もいる、呆れ顔をしているものもいた。・・・・・・どれも一つ一つ表情が違っていた。ただ、その表情からはどれも同じような意図をフランドールは感じていた。
 嫌だ。
 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
 そんな顔で私を見られても困る。
 こっちを見るな。
 
 「どうして・・・・・・」
 「人は自分と違うものを嫌う、だけど」

 妹紅か。そう、でも妹紅と私では事情が違う。私は元々人間ではないのだし。

 「――――」

 魔理沙、なんで何も言わない?

 「吸血鬼が血を吸わないなんてめずらしいじゃない」

 霊夢。霊夢も特殊な人間。分かるんじゃないの? 貴方なら。
 
 「・・・・・・私はみんなを傷つけたくない。でも、吸血鬼だから人を襲わなければいけない。私たちの主食は人の血だから・・・・・・。
  でも、私は・・・・・・もうそれができない」
 「・・・・・・考えすぎ」

 空・・・・・・?
 
 「考えすぎって・・・・・・」
 「いえ、お空の言うとおりです」

 さとりまで・・・・・・。

 「じゃあ、どうしろっていうのよ!!!」
 
 かぶっていた帽子を投げつけると影はすぅ、と消えた。投げつけた帽子だけが行き場を失い闇へと吸い込まれていく。フランドールはまた四方の影に取り囲まれる。うっとおしいと思い、また影をかき消そうと迫る・・・・・・が、ここでフランドールはあることに気付いた。全ての影が口元だけが動いて、何かを言っているのだ。よく観察すると同じ動きをしている。
 なんだ、なにを・・・・・・? と、そう思い落ち着いてもう一度よく見る。同じように自分の口を動かして・・・・・・。

 「・・・・・・ね」
 「・・・・・・ね?」
 「・・・・・・ね」
 「ね?」
 「・・・・・・ね」
 「・・・・・・えっ」

 ああ、これは・・・・・・なんだ。おぞましい。吐き気がする。寒気がする。喉がカラカラになる。背筋から汗が浮かんでくる。彼らは全て、ある2文字の言葉を永遠に繰り返していた。影なのに口元の部分だけが赤く染まり、わざと強調しているのかと思わせるほどの嫌な光景だ。

 「死ね」
 「死ね」 
 「死ね」
「死ね」「死ね」
        「死ね」          「死ね」

「死ね」「死ね」 「死ね」「死ね」

 「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
 「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
 「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」
 「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死ね」

「死ね」                              「死ね」「死ね」



 彼らは一同にしてそう口にしていた。ついさっきまでは何を言っているのか聞こえなかったのに、知った瞬間にその言葉が騒音のように耳に流れ込んでくる。フランドールは耳は塞がなかった。いや、もはや塞ぐほどの気力を持っていなかった。

 「ははは・・・・・・なにそれ笑えない」

 フランドールの顔が引きつる。小さな肩も小刻みに震えていた。そう、これが地獄だ。永遠に闇の中で与えられる地獄の責め苦。やめろ、やめろ・・・・・・そういうのは嫌なのよ。

 「だって死ぬしか無いじゃん、我儘で力もあって、でもキチガイみたいになっちゃって!!」
 「いろんな人に迷惑かけて、そもそも傷つける為に存在するような生き物なのに、誰も傷つけたくない? 笑えるよ、それ」
 
 誰の影言ったのかはわからない。いや、もうそこは重要ではない。これは全員の意思だ。全ての生きるものと死んでいるものが私に告げている。この世から居なくなれと。
 
 「さぁ、分かったでしょ? これが全ての意思の答え。もう、貴方はこの世に必要ない」
 
 私と同じ顔をした者が目の前に現れ、そう言った。
 
 「必要・・・・・・ない」
 「必要ない」
 「必要・・・・・・ない」
 「ええ、必要ない」
 「必要ない」
 「必要ない」

 言葉は何度も往復を重ね繰り返される。私はこの世に・・・・・・・・・必要ない。

 「・・・・・・ククク」
 「・・・・・・」
 「くくく、ふふふふふ・・・・・・」
 
 だとすれば・・・・・・私の答えは。
 
 「・・・・・・なかなか、いい茶番を用意してくれたわね」
 「・・・・・・茶番ですって?」
 「知らなかったでしょ、貴方は私のことも、人間のことも、お姉さまの事も」
 
 私はもう知っていた。495年の波紋を使うなって言ってくれたお姉さまの優しさも。決して全ての人が認めてくれたわけではないけれど、昼間に里に遊びに来ていいよって言ってくれた里の人達の優しさも。わざわざ地下室にまで遊びに来てくれた霊夢や魔理沙の優しさも。答えてやる、そして知るといい。
 
 「私は、必要とされている!」

 肩の震えは止まっていた。ほんの少しの間の後、呻くような低い叫び声がして、影は一斉に消え去った。苦痛に歪んだ私の顔をした者がバラバラに飛び散る。そしてそこから一条の光が差し込んだ。太陽光ではない、綺麗な、癒されるような月の光だった。暗闇の空間は吹き飛び、先ほどの場所に戻っていた。
 
 Spell Break!! 禁忌「カゴメカゴメ」
 
 「打ち破ったか・・・ァ・・・・・・」

 スペルカード「カゴメカゴメ」による精神汚染・・・・・・危なかった。私はまだ生きたい、生きなければならない。人ではなく、吸血鬼として。影が言ったことは真実だ。でもそれが全てじゃないということもまた真実だ。

 「もう少しで意識を乗っ取れたのに、どうして戻ってきた? 楽になれたのよ?」

 コピーフランドールの手元でスペルカードが燃え尽き、指先を焦がす。そんなことは些細なことと気にも留めずに寝そべるフランドールに尋ねた。
 
 「決めたのよ、私は・・・・・ええ、決めた・・・・・・私は“血は吸う”」

 人間を愛するが故に、人間を喰らうものに戻ろう。今一度、ワタシはそう思った。
 ――――――――――そして一気に夢から覚める。
 フランドールの右腕から紅い泡が勢いよく吹き出た。泡は肉を形成し、栄養があまり通っていなさそうなか細かった右腕は以前のまま再生を終えていた。

 「な、再生――――?!」

 ―――――その再生力に驚き、一瞬の判断の後、飛び退こうとする。それだけでない。危機を感じた反射で翼が七色に発光し、光の粒子がすぐさま集う。コピーフランドールの全出力のスターボウブレイクだ。それも、これほどの近距離での。肉体を消し飛ばしても致し方ないというほどの切迫感は、肉体をある程度綺麗なままで手に入れたいという彼女の躊躇いを断ち切っていた。しかし・・・・・・それすら、少し遅すぎた。
 コピーフランドールが飛び退いた、その瞬間の視界は完全に切り抜かれて、フランドールの瞳に収まっていた。本人すら惚れ惚れするあっ、という間の手際のよさだった。コピーフランドールの視界がずれる。右と左が、繋がらない。上と下が繋がらない。当たり前だった。体全体に、亀裂が入っていたのだから。翼に宿っていた光の粒子は、そのまま翼と共に砕け散る。
 彼女の「目」はすでにフランドールの右手の中で握り潰されていた。

 Spell Break!! 禁弾「スターボウブレイク」
 Spell Break!! 禁忌「フォーオブアカインド」

 
 「だけど、血を吸うのは私の意志で、貴方の力は借りない」

 体はガラスが砕けるように割れ、コピーフランドールは顔だけを残してキラキラと四散した。



koifuea7.jpg

 

 「甘いナァ・・・・・・ほんと、甘い。そんなんじゃあ、この先苦労するよ」
 「かまわない。もし、私がまたこんな状態になってしまったら・・・・・・そのときは貴方に体を差し出そうかしら?」
 「クク・・・・・・・忘れないことね、いつでも私たちは貴方の中に居る・・・・・・もし血を吸うのが嫌になったら代わりに吸ってあげるわ。なぁに、そんな真面目な顔しなくていいよ。本当はね、乗っ取ってやるっていうのも冗談だった」
 
 どうみても冗談ではなかったが、そんな自分の分身の頭を両手で包みこむとゆっくりと崩壊していった。
 
 「真剣に受け取っておくわ」
 
 もう一人のフランドールはどこか安心したような表情を最後に見せると、光の粒子となりフランドールの身体の中へと吸い込まれた。そして、空いていたパズルに最後のピースを埋め込んだように2人は重なり合い、解け合った。このとき「善」「吸血」「破壊」「悪」と散らばっていた全てのフランドールがこのとき1つに戻っていた。
 翼が、左腕が、視力が、血液の流れが・・・・・・全てが再生する。

 「おかえり」

 ・・・・・・力が漲る。
 フランドールは自らの分身がしてくれていた事を一心同体となって感じることが出来た。これほどの溢れんばかりの力。どこで“勝手に食事”をとってきたのかと尋ねるのは野暮というものだ。嫌な事をさせてしまったな、と思う一方でそういう存在であったということを振り返った。
 ああ、わかっている。次は私自身でやるから・・・・・・そうしなければ流石にケジメがつかない。
 
 「・・・・・・ふぅ」 
 
 溜め息をつく。一般的に溜め息は憂鬱なものと思われがちだが、フランドールがついたそれはそういう類のものではなかった。肩の荷が下りたとか、いい仕事をしたとか、そういう良い疲れの後に来るような、そんな溜め息だった。
 思い返せば、短いようで長い時間を走っていたように思う。私はここ数日で悩みを抱え、奔走した。失われていく力と寿命、そうする中で人間に憧れていた自分と、現実から逃避していた自分がいた。
 こいしとの戦いの最中で、ずいぶん迷わされた。これからもきっと迷うのだろうと思う。ただそれは、良いことだろうと思った。論理的に説明することはできないけれど、それが直感的に正しいと感じていた。
 夜空を仰ぐと満月の光が、美しく自己主張をしていた。
 もうそれを遮るような大きな太陽はない。暴走していたワタシ自身の問題もひとまずは解決した。これで後一度は戦えるだろうと実感している。
 となると、残る問題はあと一つとなる。今回の一連の異変(私には異変であった)その要因であり、元凶。
 ――――――古明地こいしを、倒すのみとなった。
 
 「本当に、それで解決となるのかしら」

 何故か、そんな事を口にしていた。



 続く



 
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