人生を全て捨て効果発動☆
19話あげました。これで次回からようやくこいし戦です。
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フランドール・スカーレットVS古明地こいし 7 少女さとり②
少女さとり②
旧都から少し離れた、ひっそりとした地底の奥地に地霊殿はある。
近頃地霊殿の周りの温度が急上昇しているとのことで、旧都の妖怪達には変な噂が流れていた。
地霊殿の近隣の蒸したような暑さはきっと旧灼熱地獄から来ているものだろう。
旧都に住む妖怪達でもそこにはなかなか近寄らないというのに、灼熱地獄を管理していた者・・・
さとりのペットの霊烏路空が地上に出向いているせいで、地霊殿の周囲の気温が
日増しにおかしくなっていて、近くを通る者の気配すらなくなっている。
その地霊殿の主、古明地さとりはそんな暑さよりも妹のこいしのことを考えていた。

「(こいしが地上に出掛けてからもう3日・・・地底のほうにはなにも情報は流れてこないけど)」

さとりは膝にちょこんと乗ったペットの猫の頭を撫でながらこいしの事を気にかける。
本来ならその場所はお燐の場所なのだが、お燐も地上に行ってしまったせいで
他のペットにさとりの膝は占領されていた。

「(ご主人のふともももももも!)」

・・・ペットが良からぬことを考えているがさとりはそんなこともどうでも良かった。

「ふぅ・・・」

猫の心の声が聞こえる。
それが古明地さとりのサトリとしての能力、心を読む程度の能力。
言葉を持つ者達からは嫌われるこの能力だったが、言葉を持たない動物達には好かれ、
地霊殿には多くのさとりのペットが住んでいる。
しかし、かなり多くのペットが住んでいるのでさとり一人では管理ができなくなっており、
ペットにペットの管理を任せるようになっていた。
例えば怨霊はお燐に、灼熱地獄の火力調整は空に任せていた。

「(にしても・・・やっぱり暑いわね)」

今回のことで任せっぱなしは良くないなぁと思うさとりであった。
こんなに暑くちゃペット達もへたってしまうので、これから灼熱地獄の火力を
調節しに行こうと考えていた。

「こんにちゃー!」

そんな矢先、どこかで聞いた声が玄関からした。
この声は・・・

「元気してるー?さとりーん?」
「ヤマメ!」

ヤマメはぶんぶんとさとりに手を振る。

「元気みたいねー」
「そうでもないわよ。最近は」

嫌われ者達が集う地底の中でも最も忌み嫌われているサトリとこんなにも軽く挨拶を交わすコイツは一体・・・
と思いながらフランドールは地霊殿の玄関を跨いだ。

「・・・あら」

と、フランドールの存在に気付いたさとりの目がジト目に戻る。

「いらっしゃい」

第三の目がフランドールを見つめる。

「(はじめまして、私はフランドール・スカーレット)」

フランドールは心の中で挨拶をした。
さとりが本当に心を読んでくるのか、実際に試してみたかったのだ。

・・・少し間を置きさとりが応える。

「・・・そう、貴方がフランドールさんね」

心を読む。
本当のようだ。

「フランでいいわ・・・はじめまして。古明地・・・さとり」
「はじめまして」

フランドールを助けるように言ったのはさとりだが、噂ではフランドールは気が狂っていると聞いていた。
だからフランドールがさとりに挨拶がてらに弾幕ごっこでもしようものなら止めようかと思っていた。
ここに来るまでにフランドールのことは見ていたが、ヤマメは心を読む能力を持っているわけではない。
地霊殿でフランドールが暴れだすことも一応想定の内には入れていたのだが

「(どうやらその心配はなさそうだねぇ)」

とヤマメは安心した。
その安心したヤマメを見てさとりの第三の目が気味の悪いにやけた目をするのだった。
もちろん悪意はない笑いなのはヤマメも知っていたが。

「相変わらず可愛げのない目ね」

つんつんとヤマメはさとりの第三の目をつつく。

「う、うるさいっ・・・つつかないで」
「うへへ~」

さとりが第三の目を両手で覆ってヤマメのオヤジくさい手から身を守る。

「くすっ」

そんなヤマメとさとりのやりとりに、フランドールの顔から笑みがこぼれた。

「(吸血鬼も私達他の妖怪と同じような笑い方もできるのね)」

あの笑い方。
さとりは第三の目を閉じ思い出す。
ああ、どこかで見たなと思ったら・・・思い出した。
そう、ずっと昔もこいしもあんな笑い方ができたのだ。
あの頃はよかったな。

再び第三の目を開ける。
過去に戻ることはできなくても、これからを変えていける。
そう思ったからこそ、彼女をここに呼んだのだ。

「ようこそ地霊殿へ、フランドールさん。私は貴方がここまでやってきたことを歓迎します」

こんな場所まで来てくれたフランドールに、さとりは深くお辞儀をした。


※※※

フランドールが地霊殿についてから数時間後。

一匹の猫が旧都を駆ける。
賑やかな旧都には妖怪が多く住んでいる。
通り行く妖怪達の間を縫うようにしてお燐は走る。
そのスピードはチーターより速く、本当にただの猫ならだせるスピードではない。
火車であるお燐はそんな猛スピードで旧都を走っていた。
お燐は急いでいた。
それほどまでに重要なことではないが、何かとんでもなく嫌な予感がしたのだ。
一刻も早くさとりさまに言わなくては。

「ねぇねぇ、お燐。そんなに急いで何処へ行くの?」
「(え)」

こいしがお燐の前に突如立ちはだかった。
足を止める。止めざるを得ない。
強烈な殺気がお燐を襲った。

「(くっ・・・どうしてこんなところに居るの)」

お燐は猫の状態から人間の状態に姿を変える。
このままではどうしようもない。
こいしがここに居るということは自分がこれ以上先には進むことは困難になったと判断したからだ。

「やっぱりお燐はお姉ちゃんのペットよねぇ。私の言うことなんか聞いてくれないんだ~?」
「・・・こいしさま、ごめんなさい」
「謝る必要はないわ。だってお燐はお姉ちゃんのペットだもの。
 でもお姉ちゃんに私がしてることを言ってどうするつもり?
 お燐も知ってると思うけど私がしてる事はお姉ちゃんも知ってるよ」
「こいしさまは・・・さとりさまがこいしさまの事をどんな風に思ってることを知っていてやっているんですか?」
「やめてほしいんでしょうね。でもね、もう元に戻れないほど・・・癖になっちゃったんだ」

旧都のにぎやかな声が聞こえる。
他の妖怪達がお燐とこいしの横を通り過ぎる。
周りに影響を及ぼすほど明らかな悪意を持ってこいしは立っているのに
それに妖怪達は『気付く事は無い』

「気付いてる?お燐。・・・すでに、ここは私のスペルの中よ」
「!?」

Spell Card!!! 抑制「スーパーエゴ」

「スペルカード、スーパーエゴ・・・超催眠による個人的無意識より私達の存在には彼らは到達できなくなる」
「???
 なにを言って・・・」
「今、貴方と私が立つこの場所は、他の者からは自然と忘れ去られた場所になっているわ。
 もしくはこの場所を通りたいという欲望を自我で抑制させているか―――
 まぁ細かいことまでは、私にもわからないけどね」

お燐は周りの様子を見る。
ある1匹の妖怪がこいしに気付かず近くまで来る。
このままではこいしにぶつかる・・・と思ったがそこで妖怪はストップする。

「・・・ ・・・あれ?この道こんなんだっけか?」

その妖怪はそれ以上こいしの方向には進まずに、わざわざ回り道をしてこの場所を通っていった。

「(初めて体験する・・・これがこいしさまの能力・・・)」

――― ぐちゃ

――― ぐちゃ ぐちゃ 

――― ぐちゃ ぐちゃ ぐちゃ

「は?」

お燐の目はこいしを捉えていた。
しかしいつの間にか、気が付かないうちに瞳にはこいしの姿は映っていない。

「ぎゃ、ぎゃ、アアアァ・・・」

お燐は声がした方向を振り向くとこいしが立っている。
その下には、さっき通っていった妖怪が、もうその原型を留めないくらいに
身体をぐちゃぐちゃにされて横たわっていた。

「くすくす・・・」
「(な、なに・・・?何が起きたの・・・?!)」

こいしの能力はお燐も頭では良く知っているのだが体がついていかない。
混乱するお燐にこいしはぐちゃぐちゃになった死体の一部を投げた。

「どう、お燐?また新しい死体ができたわよ」

こいしは手に付いた血を舐めながらお燐の顔を見つめる。

「(・・・な・・・に・・・?
  これは・・・あたい、どこかで・・・)」

お燐の目の前が歪む。

「(とてつもなくなにか怖ろしいことがあったことが・・・)」

―――記憶を辿る。
たしかに前にもこういうことがあったような気がしていた。
しかし、思い出せない。
きっとこれも・・・この記憶もこいしの能力によって無意識に彼方に葬られているのだ。

ああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!

脳裏に浮かぶのは大量の大量のペットの死体――。
首がちょん切られた何十匹もの猫の頭を誰かが地霊殿の裏庭に埋めている光景。
空を飛ぶ鳥を弾幕で無邪気に打ち落とす誰か―――。

「ぎゃはははは!」

偶然見てしまった恐ろしい光景。
恐ろしくてその場を立ち去ろうとしたとき

その誰かの緑色の目とあたいの目が合う。

誰かが私に猫の首を投げる。

―――それは誰だ!?

誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ!!!

お燐は自分の心のトラウマを―――強引に引きずり出した。

Spell Card!!! 「小悪霊復活せし」

そのスペルカードの発動と同時にお燐に意識が戻り、猫の姿をした怨霊が何体もお燐の傍に現れた。

「(さすがお姉ちゃんのペット。
  無意識の穴に落ちかけていたのに・・・落ちる直前でスペルカードを発動するなんてね)」
「はぁ、はぁ・・・こいしさま・・・何十年か前の話です。
 地霊殿の庭で大量のペットの死体が見つかったことがありましたよね」
「・・・」

呼吸を整えながら喋り続ける。

「あの事件の死体の数は1000や2000を超えていました。
 あんな出来事はこれまでになかったから憶えているはずです。
 さとりさまは内部に犯人がいると考え、地霊殿全てのペットの心を読み犯人を捜しました。
 結果、内部に怪しいペット・・・いえ妖怪はおらず外部の者の犯行だろうということになった・・・」
「・・・そういえば、そういうこともあったわね」
「でも、私は見てしまった。
 こいしさま、貴方が大量のペットを殺して遊んでいる姿を・・・!」
「・・・」
「ひどいですよ・・・あのペットの中には私の友達も沢山いたのに!!」

お燐の2本尻尾が逆立つ。
それはお燐がこいしへ見せた初めての敵意だった。

「当時こいしさまの第三の目も開いていたから、さとりさまがこいしさまの考えを読めていたこともあって疑うこともなかった」
「・・・」
「きっとさとりさまはまだ気付いていなかったんだ。もうその頃からこいしさまが心を閉ざしていることに。
 けれど、いくらさとりさまでも無意識にあるものを読むことはできない。
 こいしさまは無意識下に心を置けばさとりさまからも心を読まれることはなくなるし、
 私にも同じ事をした!」

こいしが動く。

「お姉ちゃんのお気に入りのペットだからね。
 殺したらさすがに悪いかなって思ってたんだけど・・・・・・もういいや。
 お姉ちゃんには私だけが居たらいいんだから!」
「!!」

またもお燐の瞳からこいしの姿が消える。

「スペルカード、小悪霊復活せし!!」

猫の姿をした怨霊たちがこいしを追う。

「(追って――来る)」
「殺され埋められたペット達は蘇り、こいしさま!
 弾幕となって貴方を追跡する!」

普段なら怨霊だろうが関係無しに追跡不能となるこいしを、怨霊たちが追跡できたのは恨みからか。

「スペルカード・・・」

しかし、追跡されようがされまいが

「弾幕のロールシャッハ!!!」

そんなものはこいしには関係なかった。

Spell Break!! 「小悪霊復活せし」


以前フランドールの『そして誰もいなくなるか』に使ったときと同じように、怨霊に被弾する直前で
こいしの周りに何重にも重なった弾幕ができる。
それらの弾幕はこいしを中心に一気に周囲に弾き飛び、十数体いた怨霊たちを吹き飛ばした。

「――っ!」

こいしがお燐の目の前に立つ。
所詮お燐はペットにすぎない・・・力が違いすぎたことを身をもって知る形となった。

「おやすみ、お燐。次に目覚めるときはお姉ちゃんの膝の上で起きれるといいわね」

死を覚悟したお燐にこいしの手が伸びる。

Spell Break!! 秘弾「そして誰もいなくなるか?」

―その時、空間が歪んだ。

「なっ―――!!!」
「つまんない事――――
突如現れた拳がこいしの顔面を捉え
       ―――してるんじゃないわよ!!!」

こいしはそのまま殴り飛ばされた。

Spell Break!! 抑制「スーパーエゴ」

吹き飛び倒れるこいし。それを見下ろすフランドール。
これが、フランドールとこいしの2度目の弾幕ごっこの合図となった。



続く。


コメント
この記事へのコメント
続きマダァ-?
(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
2010/04/02(金) 13:14:05 | URL | #-[ 編集]
>>ななしさん
更新遅くなってすみません><
2010/04/18(日) 10:50:21 | URL | ほーらいにんぎょー #cE2hQoys[ 編集]
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